血糖値が高いといわれた方へ。ちなみにご注意！

「糖尿病予備軍」といわれる方が増えています。こういう方をターゲットとした健康食品や飲み物がしきりに開発され販売されています。しかしご注意下さい。それらを飲んでも糖尿病は決して治りません。まして、「血糖値を下げる効果のある食品を飲食しているから大丈夫」などと言って相変わらずの食生活をしていると必ず本物の糖尿病になること間違いなしです。

　糖尿病はそのままにしておけば必ず何らかの合併症を引き起こします。まあ、大げさに言えば万病の元で大病といえるでしょう。血管を通して身体全体に悪い血液が配れるのですから大変なのです。先ず、血管そのものを痛めます。動脈硬化を促進します。動脈硬化は細い血管から症状を発生させます。末梢神経の障害です。網膜への生涯です。腎臓への障害です。脳細胞にも細かい血管はいっています。そういうところでは自覚症状はありませんから怖いのです。またどこからやられるかは全く予想がつきません。

私が糖尿病をこじらせたわけ

　そのころ糖尿病については一通りの知識は持っていましたが、とにかく多忙な日の連続で、教育入院する時間などとてもとれない状況でした。つきあいも多く、食事制限などもうまくいかず、毎月通院して血糖値をはかり、医師からしかられてばかりでした。まだ、ＦbA1c などという測定も一般化しておらず、唯一日々の尿中の糖と月一回の血糖値計測だけでした。少しでも血糖値を低くしようと検査の前日は夕ご飯も抜いて朝食も食べずに血糖値測定をしました。今考えると馬鹿なことをしたものだと思います。

　治療方としては、Ⅰ型の人はインシュリンがありましたが、Ⅱ型はスルホニン系の薬剤しかありませんでした。１０年程前からは自分からインシュリン注射を医師に依頼して強化インシュリン療法をしていますが、それまでは医師からは「もう少し様子を見てから」と言われつつ過ぎてしまいその間に合併症が進んでしまったように今思います。もう少し早くインシュリンを使えば良かったと思いますが、当時は医師の方にも注射をさけようとする傾向がありました。確かに患者は皆注射をいやがっていましたし、最近になっても「注射する位なら死んだ方がまし」という患者さんさえいます。

　インスリン注射は思ったほど以上に気安くでき、苦にならないというと嘘になるかもしれませんが、後に必ず発生する合併症で苦しい思いをすることを考えれば、むしろ安心です。正直言って運動は欠かせませんが、食事療法については生活の質（ＱOＬ）は向上します。むやみに我慢する必要がなくなるからです。 FbA1c が 7.0 以上を続けておられるかたには是非早めのインスリン療法をおすすめします。

私の糖尿病発症の経緯

周囲の方達からは元気そうだと言われますが、実は中身はかなりガタがきています。

糖尿病の合併症で神経障害、狭心症、網膜症、他に脊柱管狭窄症など。今以上に悪化させないようにするのが現在の課題です。糖尿病は発見されてから３０年になります。その２，３年前の人間ドックでは肝臓が悪いと言われ、肝臓の治療を勧められました。今考えると脂肪肝だったのだろうと思うわけですが、１１歳の頃黄疸を煩って以来、自分は肝臓が弱いと思いこんでいましたし、事実兄弟は皆アルコールに強いのに私はアルコールには全く弱く飲んだ後苦しむことが多かったのを覚えています。それで肝臓の治療を受けたのですが、その治療法というのが「高カロリー高蛋白」ということで、週に２，３度医院に行き大型の注射器でブドウ糖を静脈注射するというものでした。今考えると全く無茶な治療法だったと思います。その後の人間ドックでの結果では今度は見事に糖尿病との診断がなされました。